初対面、もしくは出会って間もない時には、相手の本心も分からずに会話がぎこちなくなったりする事もありますよね。
中には初対面にも関わらずズカズカと相手の中に入ってくる人もいますが、通常なら誰だって、付き合いの浅い人間には緊張もしますし、本音を語りにくいものです。そのような場合は、意識して相手の行動を真似てみてはいかがでしょうか。
同調行為とは、周りに染まるという意味があります
会社や学校には、そこに属するグループがみんな同じ雰囲気になる事がよくあります。
例えば校内暴力などで悪評高い学校の生徒は、なるほどみんな見た目が不良っぽく染まっていますし、偏差値の高い進学校では眼鏡をかけて服装もきっちりとしたイメージがあり、「さすがに頭のいい学校はしっかりしている」などと見られます。
それは会社でも同じで、会社のカラーに染まるという言葉がありますが、その企業の方針だけでなく、見た目まで染まっていく事を表しています。
人間には、無意識に周りの雰囲気にあわせて、逸脱しないでおこうと言うような気持ちが発生するようです。進学や就職の面接でもそうですが、面接官はその人の能力以上に自分達の組織になじめるかどうかというのを判断しています。
社会が欲するのは、何でも完璧に出来るスーパーマン・スーパーガールよりも、そこそこの能力があり組織の事情を理解できる人間です。社会状況がめまぐるしく変化する現在ですが、この兆候だけはほとんどかわらないと言われています。
最初は意識して真似てみよう!
親しい間柄の人間が食事などをしている時、動作が一致するという特徴があります。例えば相手が食べ物に箸をつけたらもう一方も箸をつけ、一方がお酒を口にしたらやはりもう一方もグラスを持ってお酒を飲むといった感じです。
動作をシンクロさせる意味で「シンクロニー」とも言われるこの姿勢反響行為ですが、中の良い夫婦や恋人同士、心を割った親友同士によく見られます。
もちろんお互いに無意識でしている動作であり、真似された方も「自分の動作を真似している」などとは決して思っていません。ただし、無意識の中でも”自分に同調してくれている”という感情が働くため、相手に安心感が芽生えるのです。
人は自分の考えや行動に賛同してくれる人を好意的に思いますからね。ですから、この「何気ないふりで相手の行動を真似る」という行為には、相手の心を開く効果が高いのです。
相手と対面してお茶や食事をする際、動作を真似るというのはそんなに難しい事ではありません。相手がカップを持ったら同じように持つ、相手が肘をついたら自分も肘をつくなど、ちょっとした事を自然に真似たらいいだけです。
この「シンクロニー効果」によって相手は何故かわからないうちに心を開きたくなり、そのうち本心や悩みを打ちあけるようになるでしょう。
これは、ビジネスシーンでも使えます。商談を有利にもって行くためには、相手の本心や思惑を引っ張り出す事も必要です。聞く側に徹し、相手から心を開いてもらえれば勝ったも同じです。
ただし、この同調行為には集団にながされやすいというマイナスな意味合いも含まれます。例えば、正解はAなのに、周りのほとんどがBと答えると自分もAと思いつつBに切り変えてしまうような感覚ですね。
周りの集団の意見と自分の意見が一致する事で、自分の見解に妥当性を見出す事ができるからでしょう。